健康な環境作りをすることは、子供だけではなく、大人である私たちの健康にとっても、
とても大切なことです。
特に子作りを予定している人(女性、男性共に)や妊娠中の女性が健康であれば、
未熟児などの問題を予防し、ヘルシーなベビーが産まれて来る可能性が高くなります。
もちろん子供がいる家庭では、有害物質の少い環境は、子供の健全な発育を助けます。
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私達が家の中で、日常的に使っている物には沢山の化学物質が使われている事を
ご存知でしょうか?
例えば、子供の好きなキャラクターの絵が付いたお菓子のパッケージの成分表示
をご覧ください。合成甘味料、合成着色料、合成保存料などの食品添加物が、
当たり前の様に入っています。
これらの添加物は美味しくしたり、カラフルにしたり、食べ物の日持ちを良く
したりと、確かに私達の生活を便利にすることに役立っているようです。
しかし、同時に化学合成されたこれらの添加物は、私達の健康を害し、環境を
汚染し、子供達の未来を危ういものにしている原因でもあるのです。
食品添加物以外にも、多くの化学物質が家庭のいたる所で使われています。
これらの有害物質を家庭内から減らして、より健康的な環境にする為のヒント
をお送りしたいと思います。
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1.ボディケア製品を選びましょう。
シャンプーやリンス、ソープや化粧品などのボディケア製品には、人体に有害な
多くの化学成分が使用されています。それら添加物が少ない、より安全な製品を
選ぶことが大切です。
ラベルの成分表示を確認して、以下の成分が入っていたら要注意です:
◎ 合成保存料(パラベンなど)
◎ 着色料(タール色素など)
◎ 香料
◎ トリクロサン(殺菌成分)
◎ BHA(酸化防止剤)
◎ オキシベンゾン(日焼け止め剤)
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2.オーガニックや新鮮な食品を食べましょう。
出来れば、オーガニック(有機栽培)の野菜やフルーツを食べる事が好ましい
ですが、オーガニックで無くても農薬の影響が少ない野菜や果物類を選ぶよう
にしましょう。
ミルクや肉類はホルモンや添加物などが使われていないものを選ぶようにします。
また缶詰や粉ミルク等の缶の多くには、内側にBPA(ビスフェノールA)が
コーティング剤として使用されているので、出来る限り、缶詰類は使用しない
ようにします。
更に加工食品の多くには、保存料等の添加物が使用されています。また糖分や
塩分が多いものも多く、栄養的にも偏ったものになりがちです。
ですから加工食品は出来れば避け、新鮮な自然なものを出来る限り、食べるよう
心掛けましょう。
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3.難燃性加工された衣類などは避けましょう。
室内装飾品(カーペット、じゅうたん、ソファー等)や電化製品、衣類などに
難燃剤として一般に使用されているPBDEs(ポリ臭素化ジフェニルエーテル)
は、人体や環境に対する影響が問題視されています。
特に古くなったり、破けたりしているスポンジ類を使用しているソファーや玩具
などは、修理をするか買い替えをした方が良いでしょう。
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4.プラスティック製品は気を付けて選びましょう。
発がん性があると指摘されているPBA(ビスフェノールA)を含んでいる
プラスティックがあります。
特に「ポリカーボネート」と表示されているプラスティックを使用した哺乳瓶や
ベビーボトルは避け、ガラス製かPBAが含まれていないプラスティック製
を選びましょう。
またプラスティック製の容器を電子レンジで使うのは避けましょう。
PVC(塩化ビニル樹脂)製の玩具は避けましょう。
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5.浄水器を使いましょう。
飲み水や料理には浄水器で清浄された水を使い、塩素や鉛などを取り除きましょう。
ボトルウォーターは必ずしも安全とは限らないので、出来るだけ避けた方が良いで
しょう。
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6.手を良く洗いましょう。
ひんぱんに手を洗うことは病気を防ぐだけでなく、有害な化学物質が体内に入るのを
防ぐのに有効です。
また抗菌作用をうたっている石鹸にはトリクロサン等の化学薬品が使われている場合
がありますので、避けた方が良いでしょう。
普通の石鹸と水で十分きれいになります。
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7.ノンスティックのフライパンや鍋は避けましょう。
テフロン加工等のノンスティック調理器具は、過熱をすると毒性のある物質を放出する
ことがあります。
キャストアイアン(鋳物鉄)製かステンレス製を選ぶと良いでしょう。
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8.HEPAフィルター付の掃除機を使いましょう。
特に小さな子供は床やカーペットの上で過ごす時間が多く、ホコリに含まれる鉛や難燃剤
などの汚染物質に触れたり、吸い込んだりする機会が多いといえるでしょう。
HEPAフィルターはアレルギー物質や残留農薬を含め幅広い汚染物質を取り除くことが
可能です。
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9.ヨウ素/ヨード(Iodine)を取りましょう。
ヨウ素は化学物質(Perchlorate:過塩素酸塩など)に対して緩衝材として働き、甲状腺
システムや脳の発育に対する影響を抑える働きをします。
そのため特に妊娠中や授乳中の女性には重要です。ヨウ素は海藻類に豊富に含まれています。
またヨウ素を含むプリネータル(妊娠中の女性用)ビタミンサプリメントを取ることも有効です。
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10.環境に優しい洗剤を使い、殺虫剤は使わないように。
家庭用洗剤・クリーナー、殺虫剤、ペット用虫除け剤、エアーフレッシュナーは子供の呼吸器系
に悪影響を与える可能性があります。
特に喘息持ちのお子さんには要注意です。毒性の少ない製品を選ぶ必要があります。
漂白剤の代わりにお酢を使ったり、ベーキングソーダ(重曹)をクレンザー代わりに使うこと
も出来ます。
また過酸化水素水(オキシドール)を、ちょっとしたしみ落としに使うことも出来ます。
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11.からだに良い脂肪を食べましょう。
オメガ3必須脂肪酸は、体内の鉛や水銀の毒性を弱める働きがあります。それは魚や卵、
ナッツ類、生鮮食品にも含まれています。
鮭などの水銀の蓄積が少ない魚を選び、マグロやカジキなど水銀の蓄積が多い魚は避け
ましょう。特に妊娠中の場合は注意が必要です。
母乳は赤ちゃんにとって、良い脂肪の最高の供給源です。母乳は赤ちゃんを環境汚染から
守ると同時に、それ以外にも多くの利点があります。
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参考資料:EWG's Healthy Home Tips for Parents
EWG(エンバイラメンタル ワーキング グループ)
アメリカにおける公共の環境と健康の改善のため、広く一般に対する情報の提供を行う
ために1993年に設立されたNPO.
2002年にEWG Action Fund を設立し、議会を通じてアメリカ政府に
働きかけ、法律や規制の改善などを実現することを目指している。