アメリカは新生児の死亡率が高い!
『 アメリカは新生児の死亡率が高い! 』
今回は10月4日付けのUSAToday誌に
載っていた記事をご紹介します。
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「新生児の死亡率ランキング、
USAは恥ずかしいことに41位」
20年前、アメリカは産まれたばかりの赤ちゃんを
生存させることにおいて、キューバやポーランド、
エストニアなどの国々よりも優れていました。
しかし他の国々がこの女性や乳児の健康の指標を
改善する中、アメリカはこれらの3つと他の37の
国々の後に続く、世界中で41位に順位を落としました。
これが他の国々に比べ、はるかに高い医療費を一人
当たりに費やしている国で起きているとは、
不可解であり恥ずかしいことです。
この最新の数字はWHO(世界保健機構)と他の団体
のリサーチにより判明しました。新生児の死亡率とは、
誕生した1000人(死産は除く)当たり出産後
28日以内に死亡した子供の数です。
1990年より28%減少してはいるものの、
2009年には世界中で、まだ330万人のベビーが
誕生後1ヶ月以内に死亡しています。
そのうちの多くは清潔な場所で出産され、
母乳を与えられ、暖かく抱いてあげていれば
助かることが出来たでしょう。
リサーチの対象になった193カ国の中では、
アメリカは決して悪くはありません。
しかしそれは非常に死亡率が高い国との比較でも
あります。新生児の死亡率が最も高いのは
アフガニスタンで19人中1人は1ヶ月の誕生日を
迎えることなく死亡しています。
比較してアメリカは233人中1人、ずいぶんと
良いように見えますが、日本(909人中1人)、
フランス(455人中1人)、リトアニア
(385人中1人)、キューバ(345人中1人)
と比べると良くはありません。
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新生児の死亡率ランキング
(新生児1000人の内28日以内に死亡した人数)
1.サンマリノ:0.6
2.ルクセンブルグ:0.8
3.日本:1.1
4.アンドラ:1.3
4.シンガポール:1.3
6.アイスランド:1.4
7.サイプレス:1.6
7.スウェーデン:1.6
9.フィンランド:1.8
9.チェコ:1.8
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41.クロアチア:4.3
41.カタール:4.3
41.アラブ首長国連邦:4.3
41.アメリカ:4.3
(情報源:WHO、Save the Children)
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批評家はいくかの国では新生児の死亡が数えられて
おらず、それがアメリカの順位を落としている
ことに影響しているのではと言います。
しかしこのリサーチに参加した団体
「セーブザチルドレン」の小児科医である
ジョイ・ロウン氏は、リサーチはそれぞれの国々に
おける違いを十分に反映しており、このランキングは
正確だと主張しています。
他では、もしそれらの数え違えを考慮したとしても、
アメリカが上位に上がることは無いだろうと述べています。
ではいったい何が問題なのでしょうか?
いくつかの理由は良く知られ、防ぐことが可能です。
多くの新生児死亡の理由は窒息とSIDS(乳幼児
突然死症候群)です。他の重要な要因は妊娠前の
母親の健康状態です。肥満、喫煙、高血圧、糖尿病を
母親が持っていると、新生児の死亡リスクが高くなります。
他の理由はもっと複雑です。それはアフリカ系
アメリカ人(黒人)のベビーは、その貧富に関係なく、
白人ベビーよりも死亡率が高いのです。
科学者たちは遺伝的構成や人種差別などの要素を
研究していますが、まだ合意は得られていません。
更にアメリカは早産が異常に多く、それが新生児の
生存率を下げることに影響しています。
・・・なぜ早産がそんなに多いのでしょう?
ひとつの理由は、一部の女性は過剰に不妊治療を
受けていることが上げられます。しかし研究者達は
全ての原因を掌握している訳ではありません。
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これらはアメリカの新生児の死亡率の高さの原因と
して考えられているが、それは言い訳にはなりません。
いくつかの州ではその努力が奏してベビーの死亡率を
下げることに成功しています。
メリーランド州とサウスカロライナ州では乳児の
死亡率(誕生後1年以内の死亡)を、教育や福祉の
問題を改善することで、向上することに成功しています。
両州では保護者に対し、乳児の安全な睡眠の基礎知識を
徹底して教え、また看護師が新しい母親の自宅に訪問
する等の対策を講じることにより、2008年から
2009年の間に少なくとも10%は改善しています。
そうポイントは「より多くのベビーを救うことは可能」
だということです。「私たちはこの統計の結果に
我慢している必要はありません」とメリーランド州の
公衆衛生サービスの副長官、フランシスフィリップ氏は
語ります。
「私たちは変えることが出来るのです」
参考資料:http://www.usatoday.com/news/opinion/editorials/story/2011-10-03/infant-mortality-ranking-US-41st/50647658/1
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いかがでしょうか?
医療の先進国かと思われているアメリカのこの状況、
比較して主要先進国の中ではトップの日本の
新生児の生存率の高さは自信を持ってよいのでは
と思います。
まずファーストフードに代表される不健康な食生活から、
アメリカでは出産をする母親が肥満であったり、
糖尿病などの慢性病を抱えている場合が多いのは事実です。
そして妻がアメリカで出産し、共に立ち会った経験と、
更に様々な人々からの意見から私なりに思うことは、
アメリカは医療があまりにもビジネスになり過ぎていて、
子供を出産する母親やベビーに優しく無いという事があります。
比較して子供は宝(子宝)とも呼ぶ日本の伝統が、
日本の親御さんやお医者さんなどにもまだまだ
生きていて、それが生存率の高さにつながっているの
ではないかと思います。
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例えば、アメリカでは通常出産後48時間で病院を
出されます。帝王切開でも72時間(3日間!)です。
・・・もちろん母子に何か問題があれば別ですが。
比較して、日本のお母さんが1週間滞在出来ること、
またその中でオムツの替え方や授乳の仕方などを
教わるという話を聞いて、私と妻はとてもうらやましく
思ったものです。
また親のスケジュールの都合(健康上の理由でない)で、
帝王切開や人工分娩をする人達が多いのも事実。
それらを薦める医師も多いそうです・・・実は
その方が医者が儲かるんです!!
アメリカでは帝王切開の割合が全体の30%ぐらいと、
日本の10%前後と比べると非常に高いことを見ても、
不必要な医療の介在が多いのが分かります。
アメリカの医療の矛盾は、ワクチン政策についてなど、
言い出せばきりが有りません。
ワクチンについては以前の記事をご覧下さい。
⇒
ワクチンには深刻な副作用がある!?
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しかし記事の中にもあるように、教育や福祉サービスの
改善によって状況が良くなった州もあり、子供を救う為に
地道に努力している人達がいるのも事実で嬉しいことです。
また最近は母乳育児をする人達や、自然出産を希望する
人達も増えており、それらは希望を持てる素材です。
そして忘れてはいけないのは、まだ世界中では
1ヶ月の誕生日を迎えることなく亡くなっている
数多くの子供たちがいるということです。
そう今、私たちの子供が生きていられることに
感謝しつつ、より健康な子供を育てていくためにも、
私たち親が引き続き多くの知識を吸収し、
それを実践していくことが大切なのではないでしょうか。