No. 42 子供の体罰は百害あって一利なし!

 

日本でもアメリカでも、子供が言うことを聞かなかったり、粗相したりすると、おしりを叩いたりする「体罰」が一般的に行われているようです。でもこの体罰を小さい頃から、長期間に渡り続けていると、子供の精神的な成長に悪影響を与えるそうです。

子供の躾けは親の役割のひとつ…それは誰もが問題なく同意するでしょう。でもそれに体罰が含まれれるとしたらどうでしょうか?多くの親は、子供の誤った行動を素早く矯正するのに、お尻を1回や2回叩く事は、躾けの方法のひとつとして問題無いと考えています。

しかし、Pediatrics誌に掲載された最新の研究によると、トゥレーン大学のリサーチでは、体罰によってすぐに得られる結果よりも、長期間での悪影響の方が大きいという証拠が得られたそうです。

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2500人近くの子供達を対象に行われた調査では、3歳の頃に体罰を頻繁に受けた子供は、5歳になるともっと攻撃的になる可能性が高いという結果が出ました。

コミュニティヘルスサイエンス教授の、キャサリン・テイラー氏により指揮されたこの研究では、子供が攻撃的になる様々な他の要素(母親がうつ、アルコールや薬物依存症、家庭内暴力、または妊娠中に堕胎を考えた)をまず排除しました。

その上で子供が攻撃的な行動をする理由として、体罰が重要な候補として残りました。そしてリサーチの始まる1ヶ月前に、2回以上体罰を受けた子供は、5歳の子供で50%以上の高い割合で、攻撃的な行動を示しました。

20都市で母親に対して行われたアンケート調査では、3歳の自分の子供に対して45.6%は過去1ヶ月間に体罰を与えた事が無く、27.9%は1度、26.5%は2回以上体罰を与えたと回答しています。

そしてその子供達が5歳になった時の状況を比較すると、体罰を受けた子供は、受けていなかった子供に比べ、彼らが欲しい事や必要な事などの欲求がすぐに満たされないと、簡単にイライラしたり、頭に来てかんしゃくを起こしたり、また他の人や動物に対して暴力を振るうという傾向が見られました。この理由としては、体罰が悪い行動の悪循環を起こしてしまっているのではと考えられます。

体罰は子供に理解させるのではなく、恐れを与えます。たとえ体罰を与える事によって、その場では悪い行動を改めても、それは彼らがその行動が悪いと理解した事ではないのです。さらに体罰という、暴力を行うことによって問題を解決しようとする親の行動は、子供達にとって悪いお手本にもなります。

AAP(アメリカン小児科学会)では、どんな状況においても、体罰を推薦していません。体罰はそれを繰り返す事により効果も無くなり、子供が成長した後、躾をする事がより難しくなるとAAPでは述べています。

資料:Time Magazine May 3, 2010

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いかがでしょうか?体罰を行うことにより、子供が更に暴力的になっていく…避けたい状況です。

子供に体罰を与える時、本当に子供のためを考えているのか、単に親が頭に来たりストレスが貯まって、その解消に子供に手をあげているのか分からない場合も多いような気がします。また、体罰を受けて育った子供は、親になってから、今度は体罰を与える親になる率も高いと聞いた事もあります・・・負の連鎖ですね。

こういった負の連鎖を断ち切る意味でも、まず「体罰は効果が無い」ということを理解して、子供の目線でやってはいけない行動の理由を、言葉で説明することが大切だと思います。

また子供が言うことを聞かなかったり、誤った行動をする時は、疲れていたり、お腹が減っていたり、また何らかの栄養素が不足している場合も多いようです。それらの原因を未然に取り除くことも大切ではないでしょうか。

 

また日本の厚生労働省にても「愛の鞭ゼロ作戦」というキャンペーンが実施されています。そちらのパンフレットが下記にてダウンロード出来ますので参考になります。

⇒ http://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/05/ainomuchizero.pdf

 

・・・続きは音声でどうぞ。