No.55 地球温暖化の原因は牛肉だった!

 

私たちが子供たちの未来を考えた時に心配することには、健康面や社会面、経済面などいろいろとありますが、環境の問題、特に地球温暖化は大きな問題のひとつです。その地球温暖化を防ぐために実際に今日から私達に出来る事があります。それは肉、特に「牛肉」を食べないことです!

 

農場が地球に与える影響を調査した最新の包括的なリサーチによると、肉や乳製品を避けることが、あなたが地球環境への影響を減らす最大の方法だということです。

Science誌に掲載されたこの研究は、119カ国の約4万の農場において、世界中で食料生産物の90%を占める40品目の食品をカバーしています。それは農場から食卓までの行程を含めて、土地利用、気候変動の排出、淡水利用、水質汚染(富栄養化)、大気汚染(酸性化)に対するこれらの食品の影響を評価しました。

それによると、食肉と乳製品の消費がなければ、世界の農地利用は75%以上削減され、それは米国、中国、欧州連合、オーストラリアを合わせた程の広大な面積となりますが、それでもなお充分な食料を世界に供給することが出きるそう。分析によると、肉や乳製品はカロリーの18%、タンパク質の37%しか提供していませんが、農地の大部分(83%)を使用し、農業の温室効果ガス排出量の60%を占めているのです。

また他の研究によると、全陸上哺乳類の86%が現在家畜または人間であることを示しています。 また農業は現在までの野生生物の大量絶滅の最も大きな原因なのです。

 

牛は年間70〜120 kgのメタンを過剰放出しています。 メタンは二酸化炭素(CO2)のような温室効果ガスです。 しかし、メタンの気候に対する悪影響は、CO2の影響よりも23倍高くなっています。 したがって、各牛の年間約100kgのメタンの放出は、年間約2300kgのCO2に相当します。

2’300 kgのCO2のこの値を比較してみましょう:同じ量の二酸化炭素(CO2)が、1000リットルのガソリンを燃やすことによって生成されます。 100 kmあたり8リットルのガソリンを使用している車では、1年に12,500 km(年に7,800マイル)を走行できます。

世界的には、約15億頭の牛と雄牛がいます。 世界中のすべての反すう動物(食物を逆流させ、それを再噛む動物)は、年間約20億トンのCO2換算量を放出します。 さらに、より多くの牧草地や農地を得るために熱帯林や熱帯雨林を伐採することは、年間28億トンのCO2排出量の増加につながります。

国連食糧農業機関 (FAO)によると、 農業は全世界の温室効果ガスの総排出量の18%を占めています (これは輸送部門全体を超えています)。 FAOによると、牛の飼育がこれらの温室効果ガス排出の主な要因となっています。 FAOの家畜情報政策課の責任者であり、報告書の執筆者であるHenning Steinfeld氏は、次のように述べています。「家畜は、今日の最も深刻な環境問題の最も重要な要因の1つです。

この報告書によれば、家畜は今や地球全体の陸地面積の30%を占めています。大部分は永久的な牧草地ですが、家畜用飼料の生産に使われていた世界の耕地の33%も含まれています。 新たな牧草地を作るために森林が伐採されるにつれて、それは森林破壊の主な原動力となっています。特にラテンアメリカでは、アマゾンの以前の森林の約70%が放牧に引き継がれています。

 

英国オックスフォード大学のJoseph Poore氏は、次のように述べています。「地球温暖化ガスだけでなく、地球規模の酸性化、富栄養化、土地利用、水利用を改善するには、菜食主義になることが地球への影響を軽減する最大の方法です。」

英国リーズ大学のTim Benton教授は、次のように述べています。 「現在の私たちの食料生産と消費のシステムは、地球という惑星の観点から持続不可能です。 より少ない家畜生産とより多くの野菜と果物を食べること、それが私たちと地球の両方をより健康にする可能性があるでしょう。」

英国エジンバラ大学のPeter Alexander博士は、次のように述べています。「 これらの結果をもとに私達が一夜の内に菜食主義者になる必要性はありませんが、私たちの肉の消費量を抑える必要がある事を理解するべきでしょう。」

 

参考:The Guardianオンライン版2018年5月

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