今回のトピック、実は今からもう4年ほど前に同様のトピックを、
メルマガとあとユーチューブでも発信しています。
で、それから月日が経ってまず言えることは、
グルテンフリー(グルテン無し)やデイリーフリー(乳製品無し)の食品、
その言葉がより一般的になってきたということ。
アメリカにいて以前はグルテンフリーの商品は、
健康食品店に行かないと見つからないことが多かったのですが、
今は一般の大手スーパーでも普通に、それも多種類が陳列されています。
これはオーガニック製品も同様で、オーガニックの野菜や果物、
それにオーガニックと称した各種加工食品も簡単に見つかります。
ということは、それだけ小麦製品や乳製品が身体に合わない、
アレルギーがある人が多い、その需要が多いということです。
それに、それらを食生活から除くことによって、
健康状態が改善するというケースが多いに違いありません。
日本においてもアメリカのトレンドが遅れて伝わるといわれますので、
このグルテンフリー、乳製品フリーの流れは日本でもより一般的になるのでは
ないでしょうか。
ということで、今回改めて「パンと牛乳をやめる」と自閉症や
ADHDなどの改善、健康状態の改善につながるというトピックを
取り上げてみました。
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「ADHD&AUTISM COOK BOOK」という本を購入しました。
COOK BOOk (クックブック)と言うからには料理本なのですが、
実はADHDとAUTISM(自閉症)の子供達のためのレシピ本なのです。
この本は小児科医と栄養士さんの共著で書かれていて、
特にグルテン(植物性タンパク質のひとつ)が
含まれるパンやパスタなどの小麦を使った製品と、
カセイン(動物性タンパク質のひとつ)が含まれる、
乳製品などを食事から無くすことを薦めています。
ですので、この本のレシピは小麦と牛乳を一切使わない
ものを中心に書かれています。
以下は文中にあるその著者のひとり
ダナ・レークさんという方の体験談です。
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“私が栄養士としての仕事を始めた頃、
ひとりの母親がとても疲れた様子で、
7歳の息子さんの診察と治療のために訪ねて
きました。
彼は家族や学校、そして医者からも問題児と
されていました。2歳の頃から彼の問題は始まり、
暴力的になり、彼の父親を頻繁に殴ったり
していました。
学校でも常に集中力が無く、衝動的で、
イライラしており、とても攻撃的でした。
更に彼は慢性的に消化器の問題を抱えており、
毎晩のようにベッドでお漏らしをしていました。
彼は常に攻撃的で全くハッピーな子供では
ありませんでした。
母親は学校からのリポートを私に見せながら、
「先生たちみんなが、今まで会った中で最悪の
子供だというんです・・・」と泣きながら
話しました。
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私が彼の食生活を調べてみると、乳製品と
小麦製品が最も多く、それらが彼の好物でも
ありました。
当時は食事と行動の関係についての認識は
一般にまだ低く、私自身も乳製品とグルテンを
食事から無くすと、行動と機能が向上する
ということを聞いた事はあっても、実際に
自分の患者で体験した事はありませんでした。
しかしそれらを食事から無くしたからといって、
特に害は無いということで、まずは試してみる
ことにしました。そしてその結果は両親と
同じぐらい私を感激させるものでした!
乳製品とグルテン無しの食事を始めてから
最初の数日間、彼の行動は以前よりも悪化しました。
しかし一週間も経たずに彼の症状は改善し始め、
一ヶ月が経つ頃には、両親はとても良い息子を
とり戻すことが出来たのです。
学校での態度も協力的になり、学習能力も
向上し始め、優秀な態度だとレポートを
受け取るようになりました。
そして攻撃的で衝動的な行動も無くなりました。
更に彼の消化器の症状も改善し、ベッドで
お漏らしすることも無くなりました。
そしてうれしいことに父親を殴ることも
無くなり、普通の親子の様に抱き合うことも
出来るようになりました。
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その後のある日、両親は息子がすっかり
完治したと思ったので、バースデーパーティーで、
ケーキとアイスクリームを食べるのをゆるしました。
すると過去の全ての症状がまた戻ってきたのでした。
彼らがまた乳製品とグルテン無しの食事に戻すと、
それらの問題は解決したのでした。
この子供から私は非常に多くの事を学ばせて
もらいました。そしてそれはその後、多くの
子供達を助けることに役立っています。”
参考資料:The kid-Friendly ADHD & Autism cook book, Pamela J. Compart, M.D., and Dana Laake, R.D.H., M.S., L.D.N.
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いかがでしょうか?
現在は食事が行動に与える影響に関しての
研究は進んでいて、この乳製品とグルテン無しの
食事に関しても、カルフォルニア州
サンディエゴ市のAutism Research Institute
(自閉症研究機関)の2006年の機関紙の
中でも調査結果が報告されています。
それによりますと、自閉症の子供達(5847人)
で乳製品無しの食事を与えられた場合、
その50%の子供達の症状が改善しました。
また3367人で小麦製品無しの食事を
与えられた場合、49%が改善しました。
1818人で乳製品と小麦製品両方共無しの
食事を与えられた場合は、何と65%で
症状の改善が見られたそうです。
ADHDや自閉症には様々な要素が関わって
いますので、単純に食習慣を変えたからと
言って治るとは言えませんが、もし改善する
可能性があるのであれば、パンと牛乳
(小麦と乳製品)無しの食事、試されてみる
価値はあるかと思います。
またADHDや自閉症等の問題が特に無い子供、
また大人であっても、乳製品や小麦製品を私達の
食生活から減らすことは、健康のために
有意義かもしれません。
・・・続きは音声で。
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