私がアメリカに来て、そして特に子供が産まれてから知ったことのひとつに、「子供は赤ちゃんの時から、親とは別の部屋に寝かせるべき」という考え方です。理由はそうすることによって、子供の自立心を小さいときから養う、また夫婦の時間を大切にする、親が十分な睡眠を取れるようにする等など・・・
更に原因不明で突然赤ちゃんが亡くなってしまう、SIDS(乳児突然死症候群)というものがあります。その原因のひとつが、睡眠中に親が気づかずに押しつぶしてしまい、赤ちゃんを窒息死させたりするとも言われ、別の部屋に寝ることで、その様な事故を防ぐなんてことも言われます。統計ではアメリカを含む西洋諸国では、実に約60%以上は別の部屋に赤ちゃんを寝かしているそう。比較してアジアの国々では約90%近くは、赤ちゃんは親と同じ部屋で寝かしています。このギャップはすごいですね。
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でも最近は子供と一緒に寝ることの良さというものが西欧諸国でも見直しされて来ています。では、子供と一緒に寝ることによって、具体的にどんな効果が得られるのでしょう?その代表的な6つの効果を紹介します。
1.自立心を養う
親と一緒に寝ていると、子供の自立心の成長を損ない、依頼心の強い子供になってしまう、というのが別の部屋に子供を寝かせることを勧める人たちの大きな理由です。しかしリサーチの結果はその反対と出ました。親と一緒に寝ている子供達の方が、より早く独立心がを養われ、自立する際にもよりスムーズに親から離れることが出来ます。
これは小さい時(特に赤ちゃんの時から)、親と離れて寝ていると、それによる不安感を常に感じるため、逆に自立出来ないのだそう。親と一緒のベッドで寝ている子供の場合は十分な安心感を得ることが出来るため、指しゃぶりの習慣や特定のものに執着するような事も非常に少ないのです。
2.自信をつけることが出来る
親と一緒に寝て育った子供の方が、より自分自身に自信があり、生活態度の問題なども少ないそう。また友達からのプレッシャーなどの影響を受けることも少なく、生活全般に対する満足度も高いのです。
3.心身共に健康に成長する
親と一緒に寝ている子供は、そうで無い子供に比べて成長の度合いが高くて、それは身体的にも精神的にも、子供の能力を最大限引き出すことに繋がります。親とのより多くの身体的触れ合いは、精神的な成長に役立ち、更に母乳をより頻繁に与えることにもつながるので、脳や体の機能の成長を促します。
4.SIDSとストレス障害の予防になる
リサーチによると、ひとりで寝ている子供(乳児)の方がSIDS(乳児突然死症候群)やストレス障害になる可能性が高いそう。母親と一緒に寝ることは、身体的なハーモニーを母親と赤ちゃんの間に生み出し、それが呼吸や心臓の鼓動、更に体温や眠りの質をも安定させます。
逆に一人で泣くままにされた子供は、ストレスホルモンの分泌が増大し、それが脳の成長や免疫機能にも影響を与え、精神障害や病気になりやすくなったりするのです。
5.母乳育児がやりやすい
赤ちゃんと一緒のベッドで寝た母親の方が、母乳を与えやすく、またより質の高い休息が取れるので、日中には注意力や集中力が発揮出来ます。また別の部屋に乳児を寝かせた場合、ミルクを与える度に起きてその部屋へ行かないといけないという手間が生じます。
6.家族との繋がりが強くなる
親と一緒に寝た子供の方が、家族と繋がりをより強く感じハッピーな子供になります。毎日一緒にいる時間がより長くなることにより、家族との絆を養うでしょう。
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いかがでしょうか?
改めて家族が一緒に寝ることの良さを確認することが出来たのではないでしょうか。日本では子供と同じ部屋で寝ること、赤ちゃんと一緒の布団で寝るのは当たり前、母乳を与えるのも当たり前ですので、もしかしたらピンと来ないかも知れませんね。でもアメリカでは、幼稚園児ぐらいの子供を違う部屋で寝かせて、もし夜泣いてパパ、ママの部屋へ来ても鍵を掛けて中に入れないなんて話を聞きます。それが子供のためなのだと・・・
本来、本能的に小さな子供は母親と一緒に寝ることを好みます。それは敵から身を守るという生存のために必要なことなんですね。そして例え親と一緒に寝ていても、ある時期が来ると、自然に自分から親元を離れて寝ることを選ぶそう。だから親離れが出来なくなるなんていう心配も必要ありません。
まあ私の子供の頃は6畳2間に家族6人で住んでいたので、とても自分の部屋なんて考えられませんでしたね。もしかしたら、赤ちゃんの時から別の部屋に寝かせるという習慣は、住まいの条件が良い西欧諸国ならではの文化なのかも知れませんね。
・・・続きは音声で
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