あの痒~いアレルギー、アトピー、湿疹など肌の問題、副作用の強い薬などは使いたくありませんね。特に小さなお子さんの場合はなおさらです。そこでより自然な方法でそれらに対処、予防をする方法について、前回は食べると良い食品と食べるべきでない食品についてでしたが、今回はそれらも一部含めてそれ以外の方法もご紹介します。
日光に当たる:1日に10~15分ぐらい毎日日光に当たることは、炎症とかゆみを抑制し、体内のビタミンDの生成を促すことでバクテリアの増殖の抑制、早期の改善を助けます。(処方ぬり薬を使用の場合はその注意事項に気をつける)
ビタミンDを食べる:ビタミンDの豊富な食品、タラ肝油、イワシ、サケ、卵黄などは子供、思春期の子供などの湿疹を予防するのを助けます。湿疹がひどい時は1日に 2000~5000 IU 程度のビタミンDの摂取が好ましく、品質の良いサプリメントがその役に立つでしょう。またリサーチでは母親が妊娠中と授乳中に体内のビタミンDレベルが低いと子供が湿疹を発症する可能性が高いと報告しています。
保湿にココナッツオイル:乾燥肌は湿疹の原因のひとつですので、1日に最低2回程度の肌の保湿は大切です。ココナッツオイルは湿疹に悩まされている方の保湿剤として最適です。ココナッツオイルは抗菌、抗カビ効果があり、湿疹の肌を穏やかにし、その改善を促進します。
こころとからだ:ハーバード大学のリサーチによると湿疹を含む肌の問題の原因のひとつは、精神的な要素によるものだそう。精神的、心理的な充実は肌の健康を高める上でも大切であり、瞑想や呼吸法、リラックス、ストレス軽減、話すこと、運動などは心身の向上、肌の問題の改善に役立ちます。
海塩(シーソルト)浴:死海はヒーリングパワーがある事で知られますが、その塩(デッドシーソルト)は肌の潤いと保護力を高め、炎症の抑制、肌をおだやかにするのを助けます。但し湿疹は高温や低温の場合に悪化する場合がありますので、寒くならない程度のぬるま湯がちょうど良いでしょう。肌を拭く際はこすらずに、軽く抑えるような感じでは柔らかいタオルを使用して拭くのがよいでしょう。
冷たい湿らしたタオル:冷たく湿らせたタオルで患部を抑えることが、かゆみを抑えるのに有効な場合があります。小さな子供が寝る際に利用することで心地よい睡眠を助けます。但し肌が傷ついている場合や水膨れ状態になっている場合は、感染を促してしまう可能性がありますので、この方法は避けた方が良いでしょう。
オメガ3必須脂肪:ノルウェー科学技術大学のリサーチによると、小さい頃から魚を食べる習慣のある子供は湿疹を発症する率が大幅に低いと報告されています。それは魚に含まれるオメガ3必須脂肪酸が湿疹の予防に役立っているものと思われます。既に湿疹が発症している状態でも、オメガ3が豊富な食品を取ることは、免疫機能を活性化し回復を早めることに役立つでしょう。
プロバイオティクス:乳幼児においてプロバイオティクス(乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌)は、湿疹の予防に役立ち、既に発症している場合でもその改善に貢献します。事実、妊娠中と授乳中に母親が充分なプロバイオティクスを取っていると、その子供が湿疹になるのを予防することが分かっています。既に発症している子供においても、プロバイオティクスのサプリメント(24~100億/日)を取る事は役立ちます。
ラベンダーオイル:激しい痒みに加えて、湿疹は一般に不安、うつ病、欲求不満、睡眠不足の原因となります。 ラベンダーエッセンシャルオイルは乾燥肌を治すのに役立ち、これら湿疹の一般的な症状を軽減するのに役立つと証明されています。方法としては小さじ一杯程度のココナッツオイルまたはアーモンドオイルに、ラベンダーオイルを10滴程度を加え、やさしく肌に塗布します。ラベンダーオイルのアロマは、痒みがしばしば最悪の場合、睡眠を促進するのを助けます。
ビタミンE:一日に400IUのビタミンEを取ることで、炎症を軽減し改善を早めるのを助けます。更にビタミンEを肌に塗布することは痒みを軽減し、瘢痕を予防するのに役立ちます。
・・・詳しくは音声をお聞き下さい。
皮膚の炎症は英語では一般にEczema(エクゼマ:湿疹)と呼ばれ、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、難消化性湿疹、神経皮膚炎など多くの湿疹の症状を含みます。一般に湿疹は子供が若い内に発症することが多く、統計では1歳になる前までに65%の赤ちゃんに何らかの湿疹の症状を見る事が出来ます。そして5歳になる前には90%の子供は湿疹を経験します。現代は子供の湿疹は過去にも増して一般的になってきており、大きな心配材料のひとつとなっています。
湿疹の原因については明確な答えはありませんが、環境に起因するもの、食品や化学物質へのアレルギー、またストレスや睡眠不足なども湿疹発生の原因となりえます。発症時の不快感を和らげ、後の発症を予防するのに役立つ自然療法や家庭薬、食事療法などもありますが、まずは症状の緩和と同時にそれらの発症リスク要因を減らすことが、まずは治療への第一歩と言えます。以下はその発症リスク要因と原因の例です。
<湿疹のリスク要因>
- 遺伝的要因(家系的に喘息やアレルギー持ちの人が多い)
- 年齢(免疫機能が成長途上の若年層に多く、成長と共に改善する)
- 職業(医療関係や化学薬品などを扱うなど、アレルゲンに被爆する可能性が高い職業)
- ADHDなどの発達障害(湿疹を持っている子供にADHDの割合が高いと言われている)
- 気候(乾燥地域や空気が乾燥する季節には湿疹が発生しやすい)
- 栄養の偏り(栄養素の不足が肌の健康に影響を与える可能性は高い)
- 思春期(ホルモンバランスの変化が肌に影響を与える可能性、にきび等はその例)
- 妊娠中のビタミンDレベル(低いと誕生後の赤ちゃんが湿疹などの皮膚疾患を持つ可能性高い)
<湿疹の原因、発症に引き金となるもの>
- 乾燥肌、敏感肌(体質によるもの)
- 免疫系の機能不全(免疫機能の低下は体調や肌にも異常をもたらす)
- 環境条件(花粉やホコリ、空気や水の汚染などの影響)
- 食品、美容製品、洗濯用洗剤、化学製品(それらに対するアレルギー症状として発症する)
- 慢性ストレス(メンタルな状況は身体の状態、肌にも影響を与える可能性がある)
- 温度変化(急に寒くなったり、暑くなったりは発症の引き金となり得る)
以上の要因の中で家庭で改善しやすいところは、洗濯用洗剤やソープ、シャンプーなどを化学薬品が極力含まれない低アレルギー性のものに変えること、家内の湿度や温度変化に注意したり、ストレス対策で運動や瞑想などもあります。その中でも食生活の改善は最も大切だといえます。
前回の記事:No.47 アトピーや湿疹…自然な治療法&予防法!
・・・詳しくは音声をお聞き下さい。
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